2017年8月

2017/8/26 <纏糸功から四正勁、腰の隙間>

 

 先週から馮志強老師の纏糸功を練習している。

 私もこれをきちんと教えるのは初めてで、教えながら試行錯誤、試行錯誤しながら確実に毎回学んでいる。

 

 次第に全貌が明らかになってくると、ああ、なんだ、いつもやっている練習だったんだ、と気づく。何故師父が私に特別纏糸功なるものを教えなかったのか、納得。

 どの練習、どの動きにも纏糸功は織り込まれていた。ただ意識していなかっただけ・・・。

 

 が、意識せずに無意識でそれらしきものをしているのと、意識的に行っているのでは全く精度が違う。更に、意識して敢えて見せない(無意識的に行う)という格上の境地があるし、最終的には、身体にしみついてしまって意識せずとも為せてしまう(無為の為?)ところまでもっていくのが目標だ。

 

 纏糸功の練習から生まれ出てきた、なるほど、そうだったのか~、という気づきはパラパラ飛び出て来て、まだそれらがひとまとまりになっていない。書き落とす努力をすればまとまるのかもしれないけど、今はパス。

 とりあえず、今日また飛び出てきた一つの気づき、四正勁と腰の隙間の話を少しメモしておきます。

 

 肩の纏糸功の練習。

 私にはほとんど負傷兵の姿に思えてしまう肩の纏糸功。

 分かりやすいツボを使えば、肩と股関節の対応関係が身体で実感できる。

 身体前面の肩のツボ、中府、背面のツボ、天宗。

 身体前面の鼠蹊部のツボ、衝門、背面お尻にある股関節のツボ、環跳。

 練習ではそれらのツボを推してあげて、その痛みの感覚からツボを意識できるようにしてもらった。

 これらは結局、四つ足で歩くなら使わなければならないツボ。(少しシミュレーションしてみると分かる)

 そして肩が上がらず、関節が(ボールペンの先の珠のように:としばしば形容される)くるくる回るには、股関節の絶妙な動きが必要になる。

 上の鼠蹊部、衝門とおしりの環跳の二つのツボは身体を貫通してつながるようにする。そのためにはうまく股関節内に”隙間”を空けなければならない。

 股関節の中に隙間がない(=緩んでいない)と膝の屈伸運動が入ってしまい、身体が上下してしまう。股関節、肩関節を回した際に、背が高くなったり低くなったりするのは、サスペンションの悪い車と同じ。でこぼこ道を走っても中に乗っている人が飛び上がらなくてすむようにするには衝撃を吸収するだけのバネなり隙間が必要なはずで(メカの事は全く分からないけれど)、人体も全く同じ。

 腰を緩めろだの、股関節を緩めろなど、聞き飽きるほど言われるけど、それは腰の隙間を空けるため、と言っても良いのかもしれない(現時点の私の理解)。

 

 今日の生徒さん達はあっけなくその”腰の隙間”を作り出してしまって、実は教えている私の方が驚いた。”腰の隙間”は経典の中に現れる有名な言葉で、いろんな人が、それは一体何か?と喧々諤々論じていたりする(論じても仕方がないのだけど・・・)。が、一回身体が知ってしまえば、何も論じる必要はない。

 興味本位で生徒さんに、その感覚を言葉で表現するとどうなるか?と聞いた。

 すると、「緩める、という感じです。」との答え。では、と、緩めるってどんな感じ?と聞いてみると、「隙間を空ける感じ・・・です。」と言う。

 分かっている人同士にしか分からない会話・・・。思わず笑ってしまった。

 

 

 なお、套路の起式(第一式)はまさに四正勁の練習。

 が、腰の隙間だの股関節と肩関節の連関を正確に実現しようとすると、・・・かなりの難易度になる。

 でもこれをしっかり身体に定着させて無為の為までもっていけば、家事やピアノ演奏にもとても役立ちそう・・・(個人的にはそれが目的だったりする)。

 

 下はイメージ図・・・

2017/8/21 <讃岐の風景>

 

 週末中学の同窓会出席のため香川の実家に帰省。

 猛暑の中、近くのお寺に散歩に出かけた際、あまりの気場の良さに思わずサンダルのまま練習して、記念動画を撮ってしまいました。

 

 お寺までの誰もいない散歩道、途中あぜ道で迷い、暑さでめげそうでしたが、それだけにお寺に着いた時は嬉しさもひとしお。お寺はオアシスでした。お遍路さんの気持ちが分かるよう・・・。

 鐘を鳴らし、しばし坐禅。涼しい風の吹く縁側でしばし寝ころんでいました。

 こんな風に一人を楽しめる歳になったかなぁ?

 

 瀬戸内海を渡る電車の中から写した瀬戸内海。

 そして香川県に入ると、こんもりとした山がぽこぽこ見える。特徴的な優しい風景。

 

 途中あぜ道に迷い込んで焦る。線路を見つけて辿っていくと駅に到着。寺はもう直ぐのはず。

 

 やっと大きな道に出た。ずっと行くとお寺の茂みを発見。隣に神社がある。

 第70番札所本山寺。鐘のゴーンはまさに、AU~Mmm~の音だった・・・。

 

 そしてこの縁側にたどり着き、涼しい風の吹き通る気持ちよい場所・・・と、思わず練習してしまった。 練習後は縁側に上がってしばし坐って休んでいましたが、せっかくだから、と思い切ってごろりん。どんなホテルよりも気持ちよい昼寝ができそう・・・。

2017/8/17 <纏糸勁に挑戦>

 

 昨晩初めてクラスで馮志強老師の纏糸功を試してみた。

(テキスト動画 https://www.youtube.com/watch?v=IQKjQGyYNbI&t=1040s)

 

 (日本では纏糸という言葉は馴染みがないので、中国で一般的に使われる纏糸のイメージとして纏糸メノウの図を紹介します。こういう巻き付いた縞々の感じ。)

 

 纏糸勁と言えば太極拳で使われる勁の中でも独特かつ主要な位置を占めるもの。

 経典には次のように書かれている。

   『打太极拳须明缠丝劲,缠丝者,运中气法门也,不明此不明拳。』

 (太極拳を行うには纏糸勁が分かっていなければならない。纏糸とは、中気を運ぶ(仏の?と言ってよいくらい重要な)教えである。纏糸勁が分からないということは太極拳が分かっていないということである。) 

 中国においても纏糸勁に対してはとこか捉えどころがなく神秘的な、けれども爆発力のある物凄い力、のように感じている人もいるようだ。実際、纏糸勁で人を弾き飛ばしたり、振り解いたりする老師の動画などを見ると、外からは力が見えないので、どうやっているのだろう?と不可思議に思ったりするものだ。(冒頭に挙げた動画の冒頭部で馮志強老師が弟子相手に笑いながら使っているのが纏糸勁。)

 

 ちなみに、纏糸勁のイメージは水の渦、藤のつる(左図)、DNA・・・巻き付きながららせん状に進んでいくもの。(きっと自然界、宇宙におけるこの運動を探っていけば、何らかの真理にたどり着きそう・・・と横道に逸れてはいけない。)

 

 (動画の話に戻ると)

 随分前に馮志強老師の纏糸功の動画を見た時は、あまりにも単調な練習に何の興味も湧かず、まずは内功が大事、とそちらばかり練習していた。が、一昨日本当に久しぶりにこの動画を観たら、まあ、なんて凄い、これこそ纏糸勁!、と以前見えなかった勁が見えて驚いた。

 すべての力は丹田から出発し、骨や骨がないところはその空間をぐぐぐっと力強く巻きながら発勁する身体の先端に伝わっている。動画の冒頭では馮志強老師がわざわざ、足の動きを見せて、それが丹田に伝わりそこから腕や手に勁が伝わるところまで見せてくれている。丹田の力を倍増させるのは下半身の力(ここは通常隠して見せない。。。)

 

 纏糸勁とは経典の言葉にあるよう、中気を運ぶ方法。

 中気とは中焦の気、即ち、脾と胃の気。中丹田の気。

 これを身体中に送り届ける内側の力(内気=勁)を育てるのが纏糸功法。

 

 すると、今更ながら、この練功を行うには大前提があるのを再確認。

 それは、丹田の気が育っていること!

 丹田の気が満ち溢れるくらい育っていないと、纏糸勁は出てくるはずもない。丹田がその気で身体を押し広げられるくらいになっていないと、いわば、ポンプがしっかりしていないと、その気は身体の末端まで届かない。

 この丹田の気が育っている前提で、動画のような練習をすると、関節などでつっかえることなくスムーズに気を末端まで流すことができるようになる。実践においてはこれを高速で行うだけ。それで技になる。

 やはり、丹田の気を育てるのが先決・・・。馮志強老師の高弟、劉師父の師である王長海老師も纏糸勁の話をした後に、やはりタントウ功の話に戻っている。それは師、馮志強老師から教わった”絶技”とか。

 

<余談>

 少し纏糸勁が見えるようになったと思ったら、静止画像見ても、この人が纏糸勁を使えるか否か、大体のところは判断できるよう。面白くて写真をランダムに集めてみました。(動きが止まって大道芸人のように見えるのはダメ。で、実は卓球も纏糸勁だ・・・)

 

 

2017/8/16 <話は次第に仙骨へ>

 

 この練習はまず中丹田(=気の集まる位置)に気を集めることから始まり、次第にその集まった気を下丹田の方へ膨らませながら下していく。

 

 中丹田は臍―命門の位置を中心、即ち、5本ある腰椎のど真ん中、2番と3番の間から始める。

 5本の腰椎のある範囲が中国語の”腰”あたる。この範囲に、俗にいう”気”(エネルギー)が集まる。

 中丹田は胴体を操るためのハンドルのような役割を果たす。

 

 下丹田は子宮、前立腺の位置にある。仙骨(真ん中あたり)の高さになる。精のあつまる場所。気(エネルギー)になるための燃料がある場所で、古来から、精は水として形容されてきた。

 練功で必ず”提会陰”(会陰を引き上げる)が必要になるのは、それが火をくべる"炉”のような働きをするからだ。会陰を上げ火をくべ続けることで、冷たい"精”水を沸騰させ、気化させていく。

 なお下丹田は股関節の高さにあるので、脚を操る場所。片足立ちするにしても蹴るにしてもジャンプするにしてもここの力が肝要になる。)仙骨と恥骨で挟み込む、あるいは仙骨、恥骨間を膨らますような力が必要。)

 

 タントウ功の立ち始めは(練習の初期は)全身を放松して気を頭から足裏まで落とす(通す)。

この時は、頭や上半身の力を抜いて心の気を下げ(沈肩、含胸などの要領)下向きのべクトルで気を長す。

 そして足裏まで気が落ちたのを確認したら、中丹田に気を溜める練習に入る。

 この時、会陰を引き上げ、気の流れの上向きのベクトルを追加する。腹に気が溜まっていくのが感じられればOK.そのうち腹がいっぱいいっぱいになってきたら、静かに腹内で気を回す動作を付け加えたりする。これは内気で腹の中に空間を開けたり、腰椎などを内側から外側へ、時には横向きに開く作用をする。

 

 腹内で気が回るようになったら、もっと下の股関節あたりまで気を導き、下丹田と中丹田を合わせた範囲を大きく気が回るような練習をする。タントウ功でも下丹田に気を落としていく練習をしていく(このとき上げていた会陰は引っ張り下げるようになる)。中丹田から下丹田まで気を落とし込むにはそれだけの気が中丹田に溜まっていることが前提となる。落としているうちに気が薄くなってなくなってしまうようだったら、また中丹田に戻って気を集めなければならない。

 ・・・と、実際には中丹田から少し下に降ろしてみては、また上に戻って、と行ったり来たり(会陰も上げたり引っ張り下げたり)を繰り返していくうちに、時とともに次第に下丹田の方まで気が膨らむようになり、腹から恥骨までが一つの大きな丹田となる(はず)。その頃には腹式呼吸なんかではない、丹田呼吸やら会陰呼吸ができていて、足裏からも吸えるようになっていて、なぜか強くなっている(はず)。

 

<前振りが長すぎた・・・実はここからが本題>

 今週は皆の仙骨の開発をするようなレッスンを試みていた。

 まずは触る!自分で仙骨、尾骨の位置をしっかり確かたことのない人がほとんど。ってい

 折しも世界陸上をやっていたから、黒人のアスリート達のお尻をよく見て、骨盤、股関節がどうなっているのか、見てみる。仙骨に力がなければアスリートになれない。

 

 仙骨が使えるということ骨盤が立っている、股関節が十分に使えている、ということ。これが私達日本人にはとても難しい・・・。お尻が下がって股関節の使えない、背骨の湾曲のない身体で、セオリー通り太極拳をやったら間違いなく膝を傷めるだろう・・・。

 太極拳の身体を真っ直ぐ立てる要領は、S字カーブのしっかり効いた背骨(=骨盤の立ち上がった)で股関節がしっかりつかえている身体を前提としている。最初から棒のように真っ直ぐ固まった背骨の人が更に真っ直ぐ立ててしまったら体重はすぐに膝にかかってしまう。

 そして、股関節を使う、股関節に体重を乗せるには、腰椎を緩ませなければならない。腰椎、背骨が硬いと股関節が使えない・・・・なんだか堂々巡り・・・。

 

 仙骨が使える程の身体なら、肩関節は当然のように開いている。(この途中の論理展開は長くなるので今はしません。股関節と肩関節の対応関係は六合の中にもありますが、本当かなぁ?とずっといぶかしく思っていた私も、自分の股関節がそれまで以上に開いた時に肩も自然に開いたという経験から身をもって納得しました。)

 肩関節をどうにかしたいなら、結局、股関節、骨盤、そして腰をどうにかしなければならない・・・と、せっかく肋骨まで話が進んでいたのに、今週はまた下に戻って仙骨に注目したのでした。

 

 が、今日、久しぶりの馮志強老師の纏糸功の動画を観たら、前と全く違う印象。

 腕の纏糸功を使って仙骨やら骨盤や腰を開発できるかも? できれば一挙両得。

 今晩の練習で早速生徒さん達を実験台に試してみよう~!

 

2017/8/9 <48式動画>

 

48式の分割動画、少し撮ってみました。

第22式から第26式。

説明、編集はまた後でやります。

それがいつになるか自分でも分からないので、とりあえず動画だけペーストしておきます。

第22式二起脚はまだまだ改良の余地あり・・・。練習します。   

→48式分割へ

 

 

2017/8/8 <腕はどこから動かす?➀肋骨、腰の隙間(グループLINEのノートより)>

 

 最近練習で取り上げた肋骨の話の復習です。

<注:肋骨の要領は丹田に気が溜まった状態を前提とする。>

 

 肋骨についての要領は『束肋』 (肋骨を束ねる、肋骨が立つようにする)。

 具体的には、

 ➀命門を開いた状態(=下の、京門と帯脈を引き離すようにする)から、

 ②肋骨を後ろ向きに束ねる(『束肋』ポニーテールするような感じ?)と、

 ③肩井とその下の淵腋(えんえき)というツボが(肩を貫通して)一直線に並ぶような感じになる。(胆経において肩井の下のツボは淵腋)

 

 腕を動かすときは淵腋あたりの肋骨から動かすようにする。

 肋骨から腕が外れないように気を付ける。(ジーもパンチにも肋骨の力が加わる)

 補足。

 

 胆経は身体の側面を司り、とても長くて、ストーリーも満載。

 例えば日月穴。

 このツボが決断力を決めるという。(胆力=決断力:武術には必須)

 

 そしてその下に京門と帯脈。

 この二つのツボを引き離すようにしておくのが太極拳の核心を捉えるのに必至。これが所謂、”腰の隙間”を形成する。

 (肋骨の下縁と骨盤の上縁の間の距離を広く開けるようにする=『塌腰』の要領。必ずしもツボを意識する必要はありませんが、ツボの意識が助けになるなら使って下さい。)

 

 この2つのツボの場所は下の絵参照(左が京門、右た帯脈)

 

 ちなみに、京門、は、京の「みやこ」という如く、これは腎の募穴で非常に重要なツボ。

 

 帯脈はウエストラインを一周する脈の意味としても使われますが、ここではその脈上の一点のツボを示しています。

 (図はいつも参照させてもらっているAIMY鍼灸整骨院のものを使わせて頂きました。http://www.aimy-ss.jp/TANEI.html)

 

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2012/3/20

日本養生学会第13回大会で研究発表をしました。

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