2016年11月

2016/11/27 <最近の練習メモ、一番大事なのは中腰姿勢の作り方>

 

 計画では今日から一週間弱パリの師父のところに行って練習する予定だったが、直前になってパリの治安上の問題からパリ行きを延期した。

 ここしばらく落ち着いてメモを書く気がしていなかったので、練習しっぱなし、になっている。

 毎回クラス毎に注目点が変わってしまい生徒さんがついてこられているのかどうか自信がない。

 その場にならないと何が出てくるか分からない・・・・だからこそ教えるのが面白く飽きないのだけれども・・・。生徒さんが消化不良にならないことを祈るばかり。

 

 記憶を辿って書き出してみよう。

 

1.今日(日曜)の練習

 (そもそもキャンセルしていたクラスを開いたので参加者が少なかった。ある程度のレベルの生徒さんが揃っていたため少し高度なことを要求した。)

 ・寸勁の原理

   太極拳ではいつでも”そこ”から寸勁が発せられるような状態を維持している

                    (⇒タントウ功のまま動いているようなもの)

   →なぜ中正が大事になるか、なぜ丹田に気を溜めておくことが大事なのか、が理解できる

   →動いている間中、中正を保つには両クワ(股関節)を緩め続けていなければならない。

 ・纏糸(チャンスー)の原理

   丹田の気を纏糸の形状(らせん状)で手足の末端に届けるルートの確認。

    手:腰間→腋(肩関節)→肘→手首→指(拳の打点面)

    足:足裏→足首→膝→クワ(股関節)→腰間

   ⇒手足をつなげると、

    足裏→・・・・・→腰間→・・・・・・・→指(拳)

    となる。つまり、力は”脚根”から発することになる(丹田で足から上がってきた気を

   

    48式の第43式『雀地龙』の動きを使って全身のチャンスーの練習をしてみた。

    腰でチャンスーをかけられるか?そして肘が盲点。

    逆纏から順纏に転換したところがミソ。ここで発勁が可能。

 

2.土曜日

  ・肘と腰が合うことを意識できるようにする。

    (チャンスーの動きを使って試した。第11式披身捶が分かりやすいと思う。)

   ★肘は盲点!通常私達は肘をほとんど意識していない。

   →『墜肘』の感覚が取れるならば『沈肩』はクリアされている。

    肘回りのツボ6つ全てを意識できる必要はないと思うが2つ3つは意識できるように。

   →肘が腰と結びつけば上肢と胴体が一体となる感覚も得られやすくなる。

    腕はぶらぶらしている(松)ようでしっかり胴体と連動している。

    上肢によって胴体をさらに力強くさせている。

    タントウ功も腕の形によって胴体内部の感覚が変わってくる。

  ・所謂”股関節”の可動域を高める

    腰とクワ(股関節)は密接な関係がある。

    股関節の可動域が少ないと腰が柔らかく動くことができない。

    →仙骨や尾骨部分を左右に開くことができるようにする。

    (隙間が開けば背骨が下にスライドできるようになる→腰が柔らかく動くようになる)

    うつ伏せに寝てカエル脚をする(お尻を割る!)

    →この状態でお尻(肛門)から空気を入れるような練習

 

3.それ以前(記憶がごちゃごちゃなので重要なことだけ)

   

  ★太極拳の練習にとって最も大事なことは中腰姿勢の捉え方。

    →私達は棒立ちでは運動ができない。少し四つ足時代に戻ったような姿勢が必要になる。

       これが所謂”中腰”。

    →では”中腰”は身体のどの部位をどう動かして作るのか?

    ここで、「まず膝を曲げます。」と答えたならば、スタート地点において既に間違った方向へ進んでしまっている。この先どんなに練習しても四肢の運動(体操)にしかならないのが運命づけられている。太極拳を練習する人に膝を悪くする人が多いのはこれが原因。

    

   中腰はまず「腰を緩める」。

    腰を緩める、のが感覚的に分からなければ、腰を左右に広げる、とか腰を下に伸ばして長くする(腰椎の隙間を開ける)とか、腰を丸くする、という感じを作るとよい。

    この時、骨盤が後傾してしまいがちなのに注意。

    骨盤は真っ直ぐ、即ち、尾骨が地面に垂直に垂れるように腰を広げる。

    そのためには股関節に何等かの隙間が必要になる(股関節を緩める必要性)。

   →中腰は「松腰」と「松クワ(股関節)」で作る。

    膝はその結果”曲がってしまう” (決して”曲げる”のではない)

  この点は練習が進んでも常に意識していく必要がある。

  これができないと丹田も形成できないし内功も成果が出ない。

 

  ・仙骨を意識する

   仙骨周りには神経が集中しているからここを刺激すると身体が活性化する。

   仙骨あたりがムズムズするように動き続けられれば理想的。

   仙骨は後方の下丹田。ここを使えるように立てればかなり練習が進んでいると言える。

 

 

    

    

2016/11/19 <外三合、上肢と下肢の関係>

 

 太極拳には『外三合』、『内三合』というものがある。

 『内三合』とは、”心と意が合い、意と気が合い、気と勁が合う”という、身体の”内側”の話だ。

 これに対し、『外三合』とは、一般的に、”手と足が合い、肘と膝が合い、肩とクワ(股関節)が合う”と言われている(他の解釈もあり)。

 

 この『外三合』は太極拳の動きのどこをとってもそうなっているべきなのだろうが、最初のころは、まず分かりやすい、第3式や第5式、第9式の定式の型がちゃんとできているかのチェックポイントとして使われることもある。またタントウ功の時に思いがけずそのような”合う”認識が生まれることもよくあることだ。

 

 この外三合は四肢の上中下の関節の相関関係(手首=足首、肘=膝、肩=股関節)。

 思えば私達のルーツは4つ足動物のはずだから、前足と後足にそのような関係があるのは何ら不思議でないのだが、私達は今、後ろ足で立ち上がってしまっているために、腕が”前足”という感覚が失われてしまっている。地面を踏んでいた前足が腕へと進化し、人間の特徴ともいえる手先の器用さを手に入れたのと引き換えに、肩や上腕の存在がほとんど意識されなくなり、ただ肘以下が器用に動くだけになってしまった。

 

 動物の動きを真似て四つん這いで歩く練習をすると良く分かるが、本来前足と後ろ足は背骨から生えたようになっていて、後足と前足は連動して動かざるを得ないようになっている。どちらの前足が出たらどちらの後ろ足が出る・・・?なんて考えてやるようなものではない。そうならざるを得ないように足が運ばれてしまう。

 

 

 ちょっとネコ科の動物のように背骨を蛇行して進んでみれば、肩関節と股関節が連動して動き、肩こり解消にとてもよい運動になる。

 

 

 

 

 

 ちなみに中国では公園で四つ足で歩くグループが見受けられるが、それも立派な健康法。

腰痛、肩こりだけでなく、高血圧にも良いとか(医者によっては腰に悪いという人もいたりするが要はやりよう。

 

 肩関節と股関節が背骨を介してダイレクトに連動していることが実感できたなら、肩こりの解消には股関節を一緒に緩めることが大事なのが分かるはず。

 同じ肩回しでも突っ立って棒立ちで行うのと、股関節を緩めて肩と同じように回すようにしながら肩を回すのでは肩関節の可動域、緩み方が違う。実はこの原理を応用しているのが太極拳の纏糸功。腕の動きばかりに注目しがちだが、実は股関節と肩関節が一番先に回っている。肩関節を動かす時に同時に股関節を動かすようにすると、すべての勁が帯脈付近から発生するのが分かるようになる。なぜ丹田や命門が大事なのか、なぜタントウ功が大事なのか・・・それが納得できるようになってくる。

 

 (生徒さんへ)詳しくは練習の時に説明するとして、腕の四節、足の四節、上中下の丹田の位置関係を図にしたので何が読み取れるか見ておいて下さい。

 

2016/11/13 <背骨でしゃがむ、脊椎骨33個を動かす、抜背>

 

 先週生徒さんの双腿昇降功の動きを直しながら、この一見”しゃがむ”だけに見える功法が、実は”背骨を通す”練習であることを発見。

 太極拳の「周身一家」(全身を一にすること)を要求する。”しゃがむ”動作が下半身だけの動きで済むわけはない。

 私達が通常、”しゃがむ”といって想像するのは下半身の関節の折りたたみ。人によっては太ももの筋肉を鍛えるスクワットだと思っているかもしれない。しかし「周身一家」の観点からは、所謂”しゃがむ”という動作は、”身をかがめて小さくしていく”動作と捉えた方が良いだろう。身をかがめる、と言えば、その中に背骨のしなり、正確には脊椎骨の関節の動きが含まれてくる。

 

 実は以前メモで取り上げた「蹬墙功」(壁に向かってしゃがむ功法)をしてみると、”しゃがむ”のに必要とされる背骨の可動域(脊椎骨間の関節の動き)が実感できる。脊椎骨33個をバラバラにジャラジャラと動かせて初めて、背骨が通った、と言うようだが・・・道は険しい。

 

 お手本になる動画を見つけたので紹介します。

 腕の位置の変化、➀下に垂らす、②上に上げる、③後頭部で組む、④腰で組む、の順に難易度が上がります。動画最後1分間ほど(7'30"あたりから)の背骨の動き(特に上がる時)に注目。所謂『抜背』を完璧にやるにはこれだけの可動性が必要なのだろう・・・が、ここまでできれば達人レベルかも?

2016/11/3 <練習メニュー、前月の練習覚書>

 

 初心者向けの練習枠をとる、とは言ったものの、実は初心者もそうでない人も基本の練習メニューは変わらない。

 一般的には、➀タントウ功、②動功、③型(套路)。

 養生の目的で気功法として行うなら➀と②。

 太極拳をもっと深く知りたければ、③の型(套路)に加えて④技撃、⑤推手を行う。

 

 このうち➀のタントウ功と②の動功は初心者、熟練者に関係なく行う共通メニューだ。

 ただ、やるものは一緒でも熟練度によってやり方が変わってくるから面白い。

 

 私の生徒さんが皆知っていることだが、私の教え方の欠点は、必要なことだけを教えればよいのに、ついついその先まで教えようと余計なことまでやってしまいがちなこと。そのため、レッスンが一期一会のようになり、毎回違うことをやっている印象を与えてしまう。

 初心者対象で教える時には余計なことを言って混乱させないよう、簡潔なレッスンを行いたいところ。

 

 ところで、私の生徒さんの中に、毎月初めにその前の月のレッスンで習ったことを書いてまとめている人がいます。通常は箇条書きで書いて見せてくれるのですが、前月分は文章にしてくれました。

 私はこんなレッスンをしていたのか~、と私自身がとても参考になる内容でしたのでそちらの文章を下に紹介します。

2016年11月 練習覚書
 
(1)私 エライ人 両班(ヤンバン)歩き
 
   2度目の韓国。観光地でも先生の洞察眼はキラリ。朝鮮王朝の貴族が大威張りで歩く飛び石渡りの様子が目に浮かぶよう。それが腸腰筋を鍛える練習に。手を後ろに回して大股で足を出す。膝を曲げないで足の上に片腹を乗せる。
背中が後ろに倒れないポイント。命門を開く。同時に後ろ足裏の跳ね(バネ)を効かせるとスッと前にいくような気がする。
 
(2)息 と掛けて 大名行列 と解く。 そのココロは 下にい~、下に。
 
  腰を落としたままでの連続練習。息が上がっているのをみられてか、「息を下に」との的確な指摘を受ける。
 下に下にと思うとなぜか大名行列かなにかの掛け声が連想された。息が浅いので、すぐ息が上がってしまう。
  なぜ息が浅いのか。胸呼吸でなおかつ胸郭(肋骨)が固まってしまって大きく開かないまま呼吸しているからだろう。
  丹田で大きく息を吸い込んで丹田に溜めといて動けるようなイメージになれればいいのかな。
「息を下に」は今後の大きな課題だと思う。今日図書館で借りた三浦雄一郎の本を読むと2つの呼吸方法がのっていた。舌出し呼吸と片鼻呼吸。「息を下に」は「息を舌に」にも音が通じて覚えやすい。
  左手を後ろに伸ばしてから肘を折り畳んで胸の前にもってくる動作は、腕を外旋させて肩を回して肘を折り込んで胸の前に持ってくる感じなのかなあと、前日か前々日あたりの夜の散歩中に気になって練習していたところ
  肩がうまく回らないのでしっくりこない。まだまだ練習が必要。(10/14-15)どうやら缠丝がポイントのようだ。
  引手の順缠とは真逆の動きで逆缠にすればいいかも。手の返しををもっとスムーズに。(10/31)
 
(3)鼻筋を丹田に向ける。
 
   練習の帰りの雑談にもおろそかにできない内容がある。前肩になってあごが上がるのはたぶん長年のクセなのだろう。
  すぐ首が後ろに倒れてあごが上がりやすいことは自分でも気が付いていた。先月教えていただいた
   韓国の人の「地下鉄坐り」をすると自然に首が立ってあごが下がり肩が後ろに収まる。
「鼻筋を丹田に向ける」。以前の練習の時にも聞いた言葉なのだが、その時はピンときてなかった。
   同じ言葉なのに、今日練習の帰りに聞いた時はピンときた。「鼻筋を丹田に向ける」と、姿勢がよくなり、丹田に力がはいる(意識する)ことが自分の中で一気に理解できたのだ。たぶん地下鉄坐りの自分の体験とその言葉が瞬時に結びついたのだろう。そのときはわからなくても後になってわかることがあるから面白い
   「鼻筋を丹田に向ける」自分の悪いクセをなおすための大事な言葉になった。(10/14-15)
 
(4)抓むと掴む)小さな違いが大きな違い
   なるほど抓(つま)むだと手のひらが使えず指だけになってしまいますが、掴(つか)むだと手のひらが使えるのでしっかりホールドできますね。
    大昔、中学の部活で軟式テニスをしてた時、本格的にテニスやってる学校の人が一回教えに来たことがありました。ラケットの握り方から教えてもらったのですが、普通に握って振るのではなくて親指と小指薬指でラケットが落ちない程度に軽く握り、肩、肘、手首の力を抜き、インパクトの瞬間だけ指に力を込めるというものでした。さすが強豪校はラケットの持ち方から違うのかと、これじゃはなからかなうわけないと思ったものでした。
   強く握って棒のように振るのと柔らかく握って鞭のように振るのとではインパクトのときのラケットスピードが違い、打球音が違いました。
  ラケットを指先で抓むとグラつきますが、掴むと軽い力でも手のひらで包み込めるのでしっかりホールドできます。
   使う筋肉も違うんですね。小指と親指を使うということで「骨ストレッチ」を提唱している人もいましたっけ。
   混元太極拳で使うワーロン掌も親指と小指を意識しなさいということかも??。(10/25-26)
 
(5)沈肩墜肘その要諦は伸の一字とみつけたり
 
   先生が沈肩墜肘をしながらどちらも結局伸ばすことだというようなことを言われていたのを思い出したのでまとめてみました。
   文字通りに肩を落とそう落とそうとしても逆に力が入ってうまくいかなかったことを経験済なので、むしろ「力を抜いて伸ばす」ことが大事なんだなあ、と気づくことができました。(10/25-28)
 
(6)片足立ちで膝の裏を伸ばす。片足立ちで膝を大きく回す。
 
   腿の裏の筋を腰から踵までじゅわーと伸ばしていってつま先を手前にひっくり返す基礎練。いい感じ。足首が硬いのでアキレス腱を伸ばすために多摩川の土手の自転車用(?)のスロープを登ったり下りたりするなどを
   夏の終わりごろから初めていますが、こっちのほうがよさそう。気を通すような気持ちでやってみましょう。
   片足立ちで上げた脚の膝を大きく回す基礎練。前まわし、後ろ回し。けっこうきつい。
   肩の回りをよくするための、指を肩につけての肘回し(肩回し)基礎練も先生に指摘されたように、気が付かないと肘が上がらないまま回したりしてしまうので、気をつけねば。
 こういう基礎の基礎のエクササイズは、私にとってロコモ予防というか可動域確保のため毎日の必修科目だなあ。

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2012/3/20

日本養生学会第13回大会で研究発表をしました。

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