2013/5/1 <含胸から始める>

2013/5/1 <含胸から始める第一段階(胴体)、第一段階(胴体)から第二段階(脚)へ)

 

今回の集中練習で改めて感じたこと。それは『含胸』の大事さ。

どの生徒さんも站樁功の時に随分強く胸を後ろに押されたが、それはとりもなおさず、胸の気を腹に落とすために必要な要領だからだ。

『含胸』なしに腹式呼吸は有り得ない。『含胸』なしに丹田に気を溜め、丹田中心で動くことは不可能だ。

とは言っても実は、いきなり腹式呼吸をしたり丹田に気を溜めるのは難しいから、まず、比較的操作しやすい”胸”をつかってそれを可能にするといような側面もある。

站樁功もまず『含胸』から始めると、その他の要領が連なってクリアされていくように思う。

 

ここで『含胸』についての注意点。

含胸は決して胸を後方に引いて”閉じて”しまうことをを指すのではない(”合胸”ではない)。ただ胸を後ろに引いたのでは肩が前に出て、背中上部が丸く突き出てみっともない姿勢になってしまう。

含胸は、胸の中央(両乳首を結んだ中点)にある膻中のツボを意識して、そこを後ろに引きつつ下に引き下ろすのがコツだ。①後ろ→②下方、と二段階に分けてやってもよいかもしれない。

言い方を変えれば、含胸は、膻中のツボを、①会陰と百会を結ぶ身体の正中線上に乗せて、かつ、②丹田(もしくは会陰)に向けて引っ張り下げる、ことで可能になる。

こうすることで、身体の中心線が定まるともに、気が胸から腹に落ちるようになる。

 

ついでに言えば、『含胸』では、膻中を丹田(もしくは会陰)に引き下げる感覚とともに、膻中のツボによって両肩の肩井のツボも同時に膻中に向けて引っ張り下げられるような感覚が得られる。両肩の肩井のツボと膻中のツボが逆三角形となり、膻中が肩井戸を引っ張り下げているような関係。これで、太極拳の大事な要領である『沈肩』が達成される。

 

そして含胸によって膻中が丹田に向けて引っ張られれば自然に命門が開き(腰が開き)、『塌腰』(腰が真っ直ぐに落ちるような感じ)そして『斂臀』(尾骨が後ろに跳ね上がらないように少し内側に巻き込む要領)が可能になる。

 

以上の流れは、含胸→沈肩、と、含胸→命門開く→塌腰→斂臀。

これで身体の中心線の上から下(肩から会陰へ)と気が落ちる要領が完成することになる。ここまでで站樁功の第一段階。

 

この第一段階終了で胴体部分の調整がほぼ完了するのだが、ここで問題となるのが、『斂臀』に伴って股関節が前に出てしまい(鼠蹊部の”折り目”がなくなってしまう)、太腿前面のみに力がかかってしまうこと。これでは脚が使えない!胴体の気(力)を脚に落としていく作業が第二段階になる。

そのため、ここから先は、第一段階の要領を全て保持したままで、股関節を緩める(=鼠蹊部を後ろに引いて”折り目”をつける)練習をしなければならない。

通常私達人間の股関節(太腿の骨と骨盤の接合点)はかなり固定化されていて、グルグル回すことができなくなっているから、命門を開いて腰を真っ直ぐにしてお尻を後ろに出さないようにしながら、鼠蹊部を後ろに引くことはとても困難になっている。

ここが練習のしどころ。

 

昨日生徒さんから、「お尻を少し前に入れたようにすると、股関節が一緒に動いて鼠蹊部が前に出てしまいます。鼠蹊部を後ろに引くとお尻は後ろに上がってしまいます。前後に行ったり来たりの繰り返しです。お尻を前に入れつつ鼠蹊部を後ろに引いておくことなんて可能なんですか?」というような質問を受けた。

ここでその回答として参照すると良いのは人間の骨模型。

左の写真が前から見た骨盤、右の写真が斜め後方から見たもの。

ここで、上の第一段階の要領とは、腰椎から仙骨、尾骨を少し身体前面に向けて入れ込むことだが(右の写真の青い矢印の線)、この時、赤丸をした仙腸関節(腸骨と仙骨の接合点)と股関節(寛骨と大腿骨の接合点:ちなみに寛骨=腸骨+坐骨+恥骨)がガチガチに固定されていたら、青矢印のように背骨を動かした時に、それに連動して骨盤も太腿も前方に移動してしまう。

つまり、仙腸関節と股関節が固定されていると、背骨が動くたびに骨盤や脚が動いてしまうことになるということ。

上体がどのように動いても下半身がどっしり安定しているためには、背骨の動きに拘らず骨盤が常に真っ直ぐを保っていなければならない。そのためには仙腸関節と股関節が動かなければならない(もちろん、仙腸関節の動きは微々たるもの。股関節は肩関節の如く動くのが理想)。 ある中国の先生は「骨盤は浮遊しているかの如く」と言っていたが、それは仙腸関節と股関節の緩まり、可動域の大きさを逆から描写していたのだと分かる。

 

なお、関節の可動域を制限しているのは硬く締まった筋肉や靭帯。そもそもは骨を補強したり守るための筋肉や靭帯だが、これが硬くなると関節の可動域を狭めてしまう。

だからこれらの筋肉や靭帯をゆるくして、本来の関節の可動域を戻してあげるようにする練習が必要になる。そのためには、筋肉に力を込めずにゆるくしながら、気(呼吸)や血を通しながら練習する必要がある。お尻の肉をギュッと締めて練習するのがご法度なのはこの点からも理解できる。

 

以下ご参考までに。

背骨を真っ直ぐにして尾骨を多少内側に入れるという第一段階の胴体の要領をクリアしながら、どのように第二段階の脚の要領をクリアするのか。そのヒントとなる画像。

左は仙腸関節を少~し横に引きのばしたようにして、おしりを中央の仙骨部分と左右の寛骨部分に分断した感じ。

右はペンギンの骨模型だが、股関節が旋回することによって、斂臀しながらも脚が自由に使えている例。

 

そう見ていくと、何てことない冒頭タイトル横の犬の木製模型も良く作られてるなぁ、と感動したりする

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2012/3/20

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