2023年9月

2023/9/26 <岡田君の番組より、姿勢のポイント 胸と足首>

 

  テレビをつけたらたまたまやっていた番組。あら、岡田君〜♪、と見たら、ラグビーの体の使い方を武術的な観点から説明、そして補強しているような内容。慌てて録画しました。

 

 まだ冒頭5分間しか見ていませんが、太極拳に共通するところが多々あります。

 

 例えば、姿勢について・・・(↓6枚の画像が紙芝居のようになっています。)

<説明>

  ①ラグビーのスクラム。あれだけの全身力を得る秘訣は”姿勢”。

  ②姿勢の注目ポイントは

  ③耳、肩、腰が一直線

  ④これを立位にした場合、問題は、現代人は頭が前に出ていること

  ⑤そこで、胸を張らずに、”前に押し付ける”

  ⑥すると 耳、肩、腰、くるぶしが一直線になり、正しい姿勢になる。

 

 ⑤がポイントです!

  ここでピンとくれば太極拳の練習はかなり進んでいます。太極拳の何という要領ですか?(解答は次回書きます)

 

 そして引き続き番組では、”姿勢”に付随しての”足首”のポイント紹介。(紙芝居形式↓)

<説明>

  ①姿勢において大事なのが”足首のアングル”

  ②スクラムの時の足首の角度に注目

  ③L字型、90度

  ④正しい角度(岡田君実演)

  ⑤間違った角度 ふくらはぎで推してしまっている

  ⑥間違った角度 

  ⑦足首のアングルが正しいと体幹部の力が使える

 

 さあ、これは太極拳の何と言う要領の話でしょう?

  これは

  『力起于脚跟』(踵から力が出る)の話です。

2023/9/25 <手首の使い方の極意>

 

    9/17の初耳学、TVerでの室伏長官の授業の配信が終わってしまってた・・・ショック!

 

  というのは、TVerではテレビ放映されていない室伏長官のもう一つの授業を配信していて、その中に目から鱗の内容があったので是非皆に見てもらいたかったから。

 

  その特別授業の中には剣道部の学生を指導している場面がありました。

 竹刀を持つ生徒に、室伏長官が教えた”極意”・・・(”極意”という言葉を長官自身は使っていませんでしたが、腰の王子なら間違いなく”極意”と言っただろうところ)

 

  それは手首の位置。

 

  剣道に限らず、この手首の位置を間違えてしまうとどんなスポーツも上手くできない、と言っていた・・・(楽器演奏だってなんだって全てに通じること)

 

  室伏長官が指し示した手首の位置を見て、私は謎が解けたのでした。

  何故生徒さんたちがうまくチャンスーをかけられないのか、手首がペラペラでちゃんと回せないのは何故なのか。

  ああ〜、このポイントを教えてあげれば良かったのだ。気づかなかった・・・(無意識でやっていた)

 

  確かに、そう言われるとそうしている。師達は皆そうしている。いや、そんな意識はないが、そこが確実に回っている。生徒さんたちができないのは、手首を回す時にまさに所謂手首を回しているから。回す箇所の意識を少しずらすだけで、腕肩の使い方が劇的に変わるかも。

 

  この話は今年の6/26のメモの内容と関連します。『手首回しから節節貫通へ』という動画です(https://youtu.be/h_M0I8hqB0A)。

2023/9/25 <手首の使い方の極意>

 

    9/17の初耳学、TVerでの室伏長官の授業の配信が終わってしまってた・・・ショック!

 

  というのは、TVerではテレビ放映されていない室伏長官のもう一つの授業を配信していて、その中に目から鱗の内容があったので是非皆に見てもらいたかったから。

 

  その特別授業の中には剣道部の学生を指導している場面がありました。

 竹刀を持つ生徒に、室伏長官が教えた”極意”・・・(”極意”という言葉を長官自身は使っていませんでしたが、腰の王子なら間違いなく”極意”と言っただろうところ)

 

  それは手首の位置。

 

  剣道に限らず、この手首の位置を間違えてしまうとどんなスポーツも上手くできない、と言っていた・・・(楽器演奏だってなんだって全てに通じること)

 

  室伏長官が指し示した手首の位置を見て、私は謎が解けたのでした。

  何故生徒さんたちがうまくチャンスーをかけられないのか、手首がペラペラでちゃんと回せないのは何故なのか。

  ああ〜、このポイントを教えてあげれば良かったのだ。気づかなかった・・・(無意識でやっていた)

 

  確かに、そう言われるとそうしている。師達は皆そうしている。いや、そんな意識はないが、そこが確実に回っている。生徒さんたちができないのは、手首を回す時にまさに所謂手首を回しているから。回す箇所の意識を少しずらすだけで、腕肩の使い方が劇的に変わるかも。

 

  この話は今年の6/26のメモの内容と関連します。『手首回しから節節貫通へ』という動画です(https://youtu.be/h_M0I8hqB0A)。

2023//9/19 <股関節の屈曲の練習 膝の屈伸にならないためには?>

 

  日曜日の初耳学、見損ねた人はまだTVerで見ることができます。

  https://tver.jp/episodes/epkm12z0wd

 

  紙風船を使った体幹トレーニングのほかにも

  股関節(鼠蹊部)の可動域のチェック、それから股関節の可動域を高めるトレーニングの紹介もあった。

 

提膝の練習と題して右のようなものがあったが(https://youtu.be/0XmjdWlAGWw?si=UPzCWoXdJSn4iuRL)、これは本当の提膝ではない。

準備体操としてやるのはよいが、これでは太極拳の提膝にはならない。

一案としては、やはり室伏長官が紹介しているように、膝と肘を合わせる練習に変えること。膝と手を合わせても背骨は連動しないが、膝と肘なら背骨が連動する。四肢状態にり上半身と下半身が連動する。太極拳の動きに近くなる。

2023/9/17

 

  只今22時半。林先生の初耳学で紹介されている室伏長官考案の紙風船を使ったトレーニング、その原理は太極拳そのもの。体幹が鍛えられる。

 『開の中に合あり、合の中に開あり』

 その中心的な感覚が紙風船で得られるとは驚き。

 

 室伏長官、すごい!

 

 套路の中では野马分鬃の時に両手でボールを抱えたような形にするのがまさにこれ。

 実際には、ボールの形にしなくても、両手が向き合っていればそうなる。

 

 レッスンの時、紙風船、使ってみるのも一案かも。

2023/9/15

 

  前回の開合の話は難解でした・・・と生徒さんに言われた。

  説明がもたついていたかも。

 

  開合は太極拳において最も大事なもの。

  馮志強老師のバイブルテキストにおいても、<入門指南>という最初の章において、”陰陽開合を真剣に求めるべき”という標語の説明をしている。

  陰陽開合がなければ太極拳とはいえない。

 

  練習を始めたばかりの頃は、<開合>といっても、単に、腕を開いたり閉じたり、という程度の認識しかないのは当たり前だ。

 

  馮老師のテキストには下のような記述がある。

 

  太極拳の運動は開合の二文字なしにはあり得ない。

  ”一開一合、拳術はそれに尽きる”

  

  昔、太極拳は開合拳と呼ばれていた。

  上下、左右、前後、昇降、屈伸、往来、虚実、順逆、進退、巻放、蓄発、松緊、呼吸、吐納・・・これら全ては開合なしには成り立たない。

  

  至る所に、いかなる時にも開合がある。

  開合のない所はなく、陰陽が見られない時はない。

  

  開では陰陽が相分かれ、清昇濁降となる。

  合では陰陽が相交わり、相抱き混融する。

 

  一度開になれば全て開く。意気神形、全てが開く。

  一度合すれば全てが郷になる。意気神形、皆、合する。 

  

  そして、開の中には合があり、合の中には開があり、陰陽互いに助け合う。これが真の太極である。

  

 

 

      今では、開合とは丹田の膨らみ縮みだと分かる。言い換えれば丹田の呼吸だ。

  


2023/9/8 <開合の時の呼吸 胸式から丹田呼吸への移行のポイント>

 

 

  『合』が上手にできると『開』が上手にできる。

 

  野球のバッティングでもピッチングでも、うまく打ったり投げたりするには、その玉ゼンの”溜め”が大事になる。

 

  『合』は丹田に気を集結させる。

左はオーソドックスな開合功。(https://youtu.be/xoEiYIb2CwU?si=rFM8YOPaKsTWYCs4 より)

 

これはただ腕を開いたり閉じたりしているわけではない。

腕を使って全身をポンプにさせている。

 

全身の圧縮と膨張、それが合と開だ。

 

 

 

 

 

  両手の労宮と労宮が近づいたところが、合。 最も離れたところが、開。

  合で丹田に気が戻ってくる。開で丹田から末端へと気が流れる。

  そこまでは理解できるはずだ。

 

  では呼吸は?

 

  自分で試してみてほしい。

  おそらくほとんどの人は、合→開の時に吸気、開→合の時に呼気になるはずだ。

      実際、上の表演の時の馮老師も、開いて行く時に吸い、合になっていくときに吐いている。

  これは胸式呼吸の段階だ。

  肺にいっぱい空気をいれようとすると腕は開くのが自然。自然豊かな場所で良い空気を吸おうとすると腕を広げて胸を開く。

  これも大事な呼吸法だ。気功法としては全く問題ない。

  が、太極拳の時にこのような呼吸をするのは問題がある。

  というのは、開いた時に気が上がって足の根っこが抜けてしまうからだ。

 

 ここで気づくことがある。

 

 <開で吸って合で吐く>という、私たちが普通にやりやすい呼吸(=胸式呼吸)にすると、開で気は上へ、合で気は下へ、と、上下に行ったり来たりする。

 これに対し、<開で吐いて合で吸う>ことができると、気は丹田を中心に、末端へと流れたり戻ったりする。丹田から四方八方に気が拡がる=上下左右だけでなく前後にも拡がる=気が球状に拡がることになる。

 

 つまり、胸式呼吸では、気は上下の動きしかない(胸の部分は左右にも開くが腰などは左右に開かない。前後にはほとんど開かない)。これに対し、丹田呼吸では気は球状に膨張、収縮する。

 

 

  このような呼気と吸気の違いは収功の時にもおこる。

 下の馮老師の収功はすべての表演が終わった時のもの。

 一通り動いて丹田呼吸になっているため、両手が上に上がる時(開の時)に呼気、両手が下に下がる時(合の時)に吸気になっている。(丹田が吐いて吸って、という感じになれば鼻で呼吸している感覚は薄れていく。)

 

 もし表演の一番最初にこの動作を行ったら、おそらく両手が上がる時に吸って、両手が降りる時に吐く可能性が高い。

 

 ここで注意を促したいのは、丹田に気を集めて『合』になる(=丹田呼吸になる)、ためには、準備がいる、ということだ。

 その準備とは、胸を使った深い呼吸で、気を頭から足へとしっかり下ろすことだ。

 しっかり足まで下ろせば、そのあと、呼吸をひっくり返して丹田呼吸に移行することができる。丹田に気を溜めるには足裏で地の気を吸い上げる必要がある。足の裏で吸うにはその前に足裏まで気が降りて少しでも反発力を得られるようになっていなければならない。

 

 そして反発力を得られるように足裏に気を下ろすには、上丹田の気を失わないで気を下せるようにするということ。上丹田を失って気が下に”落ちて”しまうと下半身の途中に気が引っかかって足裏の反発力が得られない。

 

 簡化24式の予備式の動作でそれを見ることができる。


  上の先生は降りて行く時に上丹田(眉間の丹田)をキープしている。すると背骨が伸び膝に乗ることなく足裏に気が降りる。足首が立っている。(https://youtu.be/47LaU91D-gE?si=hhfFNcMe6pcpKvzW)

 

 これに対し下の先生は降りて行く時に目も落ちてしまっている。そのため体が落ちてしまいそのまま前太ももに乗っている。足首が潰れ足は地面の反発力を得られない。この感じで太極拳を練習すると足首は捩れ関節に負担をかけるので要注意だ。目の使い方を間違うと致命的になることがある。(https://youtu.be/l4c1Eg73QHw?si=ySaHFTgLgr6plxF-)

 

   腰の王子が三種の神器の体操をさせる時に、目線を通常より上に上げさせて目線を定めさせるのも上丹田を作りそれをキープさせる目的がある。目が外れると体は落ちる。道教の経典である『黄金の華の秘密』は、下に落ちた目をいかに元の住処=眉間の奥に戻すか、ということを書いているが、普段私たちの目は落ちてしまっている。小さな子供の目の位置は私達よりも高い。意識が俗に落ちるのも、体が下に落ちるのも、まずは目から・・・これは、太極拳の予備式などの簡単な動作の時に練習すべきだ。目線で体がどのくらい変わるか分かるはず。

 

 上丹田は脳と関係あるので教えるのも微妙なところがありますが、レッスンの中では眼や後頭部などについてちょこちょこやっています。私自身の問題意識が高い箇所なので、そのうち書きたいところです。

  左は『合』。エネルギー(気)を中心に集める。

  右は『開』。エネルギ(気)は中心から末端へと流れる。

 

  合の時の気の流れ(末端から中心へ向かう流れ)を”順”、

  開の時の気の流れ(中心から末端に向かう流れ)を”逆”と言ったりする。

 

  血管で言えば、動脈は『開』をもたらす”逆”の流れ、

  静脈は『合』をもたらす”順”の流れだ。

 

  運動は開と合の繰り返しだ。打ったり、蹴ったりするためにはその前に『合』が必要だ。合がしっかりできないと開も中途半端だ。

 

     タントウ功はこの『合』をしっかりと鍛錬するものだ。

  中国武術の内家拳と呼ばれるものは内功を重視するが、それは言い換えれば、『合』を意識的に鍛錬するといっても良いだろう。

  少林拳や長拳、そして空手などの外家拳と呼ばれるものは内功を重視しない(存在しない?)。それらの拳は若者の拳だ。先天の気が多いうちはエネルギーの枯渇を恐れることなく活発に動き回れる。内功の必要が薄いのだ。

  

  ジャンプをする前に身をかがめるのは何故か?

  それは『合』の形をとってエネルギーを腹に集約させるためだ。うまく腹を使えれば集高いジャンプができるが、脚でジャンプしようとする人はあまり高くは飛べない。

  

 

 

 ↑VIVANTに出演しているドラムのショート動画。

 相撲スタイルが究極の『合』であることを自負している。

 

 ↓「よーい」の『合』の姿勢。ドラムは鳩尾からお尻までパンパンに気を溜めている。比較すると隣の人は気の集約が中途半端。

  「ドン!」の時、ドラムは一気に爆発。『開』になる。頭頂、両手両足まで気が達する。その後は腹(全身)で走っている。 隣の人は、ドンでもまで蹴れていない。スタートだけならドラムが数段上。

『今日のメモ』毎日の練習は気づきの宝庫。太極拳の練習の成果が何に及ぶかは予測不可能。2012年9月〜のアーカイブは『練習メモアーカイブ』へ

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練習のバイブル本

 『陳式太極拳入門』

   馮志強老師著

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2012/3/20

日本養生学会第13回大会で研究発表をしました。

発表の抄録、資料はこちら