2019年6月

2019/6/29

 

 携帯に保存した画像の整理をしていたら、むむむ・・・

 

 あれれ?ああ、丹田呼吸だ! 

 以前ブログで紹介したはずの画像とサイト(https://itami-setumeisho.com/archives/2106

 

 今見ると全く違って見える。

 太極拳が開合拳と言われた所以。開合はまさにこの動き。

 丹田呼吸になると、吸ってるのか吐いてるのか分からなくなって、それでもどうなっているのだろう?とよ~く自分の身体の中を観察すれば、吸ったまま吐いて(吐き込んで)いたり、吐き込んだまま吸っていたりするようだったりする(太極拳で動いているときは。静功なら呼吸がもっと静かになるので呼気と吸気の差が見えなくなる)。

 

 それが分かって、早速、昨日、今日と生徒さん達に試させてみました。

 さずがに初心者には分からないにしても、練習をそこそこやって、足裏から息が吸えるようになっている人(足裏下まで気を落とせている人、足が根付いている人)には効果抜群!これで24式をやってみると、なんだ、ずっとその繰り返し。腕を一回転するにもそれをせずには回らない。(先に胸郭の動きをやってから腕が動く、ということ。)息で、息を吹き込み引き戻すことで、身体は動いていた・・・細胞の伸び縮み・・・当たり前なのに衝撃的なのは何故?

 

 肋骨の上を拡げて下を絞る・・・(息を入れて胸郭広げ、肋骨の下側を絞って吐き込む時には胸郭を閉じずに胸骨を胸椎の方に押して両脇が膨らむようにするのがコツ→こうすると横隔膜を下げたまま吐き込める→実は胸には空気を含んでいる、だから”含胸”では?)

 

 ポンプのような身体。どこかで見たような。

 

 胸郭をポンプとしてつかって息を腹に落とし込むと丹田ができる(→仁王像)。

この中に2枚、間違った例がありますが、すると、表面の筋肉を鍛え過ぎて内側のポンプが機能しなくなる。見せるだけで使えない身体になる。

 空気を入れると背中側も膨らむことに注意。

 

 実は太極拳だと肉の質は水泳選手に近くなる(太極拳している時に、このまま水の中に落とされても浮くんじゃないか?というような身体が理想。馮志強老師は、太極拳は地上での水泳である、と言っていたけど、本当にそのようだ)。ブルースリーのように肉は割れない。

 が、水泳選手のように上半身を大きくしない。魚と違って地上に立たなければならないから足裏が決定的に重要になる。

 

 足裏から胸への逆流ポンプも必要→仁王像の下半身に近い。が、ジャンプや、素早い動きもできなければならない。実際問題、仁王像のように突っ立っているだけでは困る→ブルースリーの下半身

 息は足先まで吹き込む。

・・・なんて贅沢!(苦笑)

 

 ともあれ、結局は、息!(そのためにいろんな練習をしています。)

2019/6/27

 

 三匹の動物を連れて海外に行くのは手続きがとても煩雑。

 犬に狂犬病の注射が必要なのは当たり前にしても、猫にも必要で、それも1か月空けて二回、その後しばらくして抗体検査がある。

 うちは車がないから、一匹ずつ運ばなければならない。一匹当たり3回獣医通いをしなければならないから、累計9回の往復。3匹まとめて運べれば3回で済むのに・・・。

 そこで先日猫2匹入れる大きさのゴロゴロ引っ張るキャリーケースを購入した。

 フランス生まれで日本に連れて帰ってきた虎猫モモは13歳。私が生後2週間もたたない頃に家の近くで保護した子猫のミーは今や4歳。私がマイフェアレディ―のように育てたので一見貴婦人のように見えるがDNAは野良なので野性的。家の中のヤモリやクモの死骸はすべてミーの仕業。

 以前、モモと一緒にフランスから連れて帰ってきたキングのような雄の黒猫が健在だった時は、この雌猫2匹の関係はそれほど険悪ではなかった。いや、モモはミーのことを面白くないと思っているようだったが、まだ子猫だったので知らんぷりしていた。が、黒猫が癌で逝ってしまった後、ミーはモモを相手に攻撃を仕掛ける遊びをするようになった。もともとフランスチックなのんびりした気性のモモはミーの遊びが遊びとは思えない。本当に攻撃をされていると感じて真剣に唸り防御にはしる。こうしてモモはミーを避けるようになった。ミーが食卓に来るとモモは食卓から退席、ミーが寝室に来ればモモは扉から出ていく。

 それなのに、私は2匹を無理やり一つのキャリーケースに押し込んで獣医さんへとゴロゴロ15分引きずっていった。その間、野性のミーは絶え間なくギャーコギャーコと叫びちらすものだから、道行く人も私の方を見るし、道すがら野良猫までもが後ろを付いてくる。病院でもギャーコは止まらず、他の人達が苦笑いして、元気な猫ちゃんですね、と言ってくれる。そう、他の飼い主たちは自分の愛猫や愛犬が病気で苦しんでいるから来ているのだ。なんだか申し訳ない気がした。

 さて予防注射、とキャリーケースのジッパーを開けたら、モモは亀のようになって全く動かない。大嫌いなミーと一緒に閉じ込められて無になってしまったのだろう。かわいそうに・・・。

 

  あれから10日間を経て、モモの抗体検査をしなければならない日がきた。フランスに入国するには狂犬病の抗体検査は必要ないが、日本に戻ってくることを考えると先にやっておいて数値をクリアしておいた方がよい。(ミーに関しては、手順を間違えてマイクロチップを入れる前に第一回の予防接種をしてしまったために、検疫所の方から第二回目の予防接種と同日に抗体検査をするよう言われたので二匹一緒に運んだ日に済ましてしまっていた。第二回目の予防接種から10日以上たたないと抗体価が上がらず検査をクリアできない可能性があるのでやりたくない、という獣医を説得。規則ですから・・・・と検疫所。)

 

  一昨日、モモの抗体検査の日に老犬アリの狂犬病注射を一緒にすれば、一回の往復で2つの仕事ができると計算して、二匹をキャリーケースに無理やり詰めた。ミニチュアシュナウザーの老犬アリは中型犬。そこに猫をいれたら、布製のソフトなキャリーケースがパンパンになって、手を離したら横転してしまった。けどそれでも行く!と決めて玄関を出発。しばらくズンズン進んだら、次第にバックの引手が軽く感じるようになった。車輪の滑りが良くなったかなぁ~、なんて思ってネット越しに真っ暗なケースの中をよーく覗いてみたら、あれ?、モモがいない!顔の血の気が引いたようになって即家に引き返した。モモは隣の家の庭で避難いていた。もう暫くは私を信用してくれないのは必至。外では猫は捕まえられない・・・、とその日は断念。

 

  そして今日。

 今日こそはモモを連れて行く、今日行かなければ間に合わなくなるかもしれない、と朝から心の中で繰り返し、その心の声をモモに悟られないようにと怪しげに見えないように努力をする。外に出したらもう捕まえられないから、家の窓は閉めて、淡々と出かける準備をした。

  いざ獣医さんへ♪

   

 <以下、LINEで友人に送ったメッセージ>

 

  今日こそモモの抗体検査に行かなくては、とキャリーに入れていざ出発!と歩きながら、やはりアリを入れた時と重さが違う、モモちゃん軽いねぇ〜♪  なんてゴロゴロ歩くこと数分。階段でキャリー持ち上げた時に、あれ? と、中見たらいなかった。

 

  うそ、また脱出された〜

と急いで家に帰ってモモ探し。

かなり探してベッドの下に潜っているのを発見。が、手が届かない。

今日連れて行かないと間に合わない、人間ナメるなよ〜 、おりゃーっ!

とベッドひっくり返してモモを引っ掴む。

キャリーに押し込めようとしてまた格闘。入りたくないモモの爪が私の腕に突き刺ささってる〜

 

 

  が、絶対に行く、それも12時までに、と覚悟を決めた私は非情。そんなの構わず連れて行ったのでした。

 

  

  モモに負けない!

2019/6/23

 10個の要領、注意してみると物凄い拡がりがある。
 先人はその一つ一つの解剖学的、生理的、医学的な根拠を知らずに感覚的に捉えていたのだろうが、今では様々な"身体論者"が同じことを理屈で説明してくれている。
   生徒さんが貸してくれた 藤本靖さんの『身体のホームポジション』。
   あらあら、あー、そうだったの....と太極拳が別の角度から理解できる。先人の呪文なような言葉が解読できてしまう。太極拳しか練習していない人にはできない説明....目からウロコ。
  例えば第四章の『口を緩めて内臓空間を開く』。
下顎の緩みが身体の緩みにつながること、上顎のドームを拡げる重要性、が説明されている。
  なぬ?
  これが④⑤の要領の意味、そのもの。
  それを知らずに歯を合わせても、舌を上アゴに付けても意味なし!
   なぜ、発勁の時に、ハッ! と言って咄嗟に舌を下げるのか、それも納得。
  虚霊頂勁ができている太極拳の先生は驚くほど少ないが、これは筋膜を緩めてテンセグリティが現れた時の一つの現象。それにはプラスマイナスの皮膚感覚が決定的に重要になる。何も相手の勁を"聴く"のは推手の時に限らなかった。いや、推手で皮膚感覚の訓練をしていたんだ....ここから究極的にはGrace(神からの恩寵)へと自然に進んでいくのだろう。
  なぜ太極拳が悟りへと向かう一つの修行法になり得るのかがまた一つはっきりした。
  松も皮膚感覚のプラスマイナスの釣り合い、かなぁ。 
  この本を太極拳的観点から読めば、全ての論点が一つの点、丹田、に集約できそう....  全ての論点は丹田に結び付けられる。雑多な知識を覚えるのではなく一点集中させるのが"使う"コツ。

 

 

2019/6/13

 

  どうやったら脳の圧を抜けるのか?

 そんな質問をビデオレッスンの生徒さんがしてきた。

 

 脳の圧を増やすのは簡単?脳の血管が切れるような身体の使い方を想像してみるとよい。顔を真っ赤にして怒った状態、トイレで踏ん張った状態、頭に血が上って顔が赤くなった状態だ。これはとても身体に悪い。脳梗塞、脳溢血、脳卒中、みな脳の圧が増えた結果起こる。精神病患者も脳の圧が高そうかなぁ、みな足が浮いている。足元がどっしり頭がスッキリ、は健康体。千鳥足に赤ら顔は万病の元。

 普段私達は脳の中でああでもないこうでもない、と煩くヒートアップしているから、一時その働きを止めて脳の圧を抜くと、思った以上に腹に気が落ちる。脳の松。身体中をパトロールして松できるところを松していくと一つ松すればその分だけ腹の気が増えるのが分かる。そのくらい私達は日常生活では身体の周辺を使っている。

 

 冒頭の生徒さんの質問を受けて、グループラインで私とベテラン生徒さんが書き込みをしたのを少しここに載せます。(全文は仲間のページに貼っておきます。)

 

  <延> 日曜に引き続き、昨夜は高速で10の要領の説明をしました。

で、今日、Hさんからこんな質問。

    グループラインに書いてあった脳から力をスッと抜く方法とはどうしたらいいのでしょう?

 

<K> 百会を開ける、かな~?

        より、繋げるかな~?

        私の場合、目をつぶって目と耳繋げて喉開けたら自然と脳の力が抜ける気はしますが。

         脳の力抜けないと、百会が開かない。

          鶏が先か、卵が先か

 

<延> Kさん、さすが!

         私が自転車ヘルメット型の脳の力を引き抜く話をした時に、試してなるほど~♪と手ごたえを得たようなのは、日曜のほっちさんと火曜の穂刈さんでした。(他にもいたのかもしれないけど私の視野には入っていなかった。)

         目と耳つなげて喉開ければ(➀~⑤)、気がすっと腹に落ちるとともに頭頂が涼しくなる。

 

<K>「拳理」のお話は、タントウ功するとき必然の話で、このタイミングでこのお話が聞けて、良かったと思いました。

        まだ自分の場合は、一つ一つ身体の中を確かめながらやる必要があるけど、劉先生とか北川先生とかのレベルだと、立った瞬間でこの10の拳理をクリアするんだろうなぁと想像しました。

 

その後、質問してきたHさんから喉を開くのが苦手かも、とメッセージがありました。

 

がKさんがあまりにもうまくまとめてくれた要領。目と耳を合わせた後、"喉を開く(④と⑤)"のがとても大事です。

これができないと腹に気が落ちないし脳の圧が減らない(百会が開かない)。

 

 腹話術の彼女の喋り方の真似をしてみると喉の要領がはっきりします(私ははっきりしました! 目からウロコ♪)

 

<K>

目と耳を「水平に」合わせるのがとても大事

喉を開けるには舌で上顎を軽く押すのと頸椎が首のどこを通っているのかを意識

さらに頚椎がどう頭蓋骨と繋がっているかを意識

この時百会も意識

「喉」は当然頚椎の前にあるのを意識

すると喉が開くと思います。

  喉は肩とも繋がっていますね!

 

<延> すごいですね。

私の代わりにブログ書いてもらいたい....

 

  というか、私以外の人が説明できると他の人の助けになります。先生の説明より先輩の説明の方が分かりやすいことが多々あるので。

 

<K> 私は耳鳴り持ちで、耳鳴りは、耳というより頭蓋と関係があるだろうと思っていたので、タントウ功中、頭蓋の要領を自分なりに探っていたのが役に立っているかもしれません。

 

< 延> そうですね。が、やはり毎日練習を続けているからだと思います。ただ頭の中で原因を探っていたらこんな理解は不可能。私も驚きの進歩。

 

 

 

2019/6/12

太極拳を学ぶ者なら知らなければならない身体の要領。
虚霊頂勁から始まり上から下へ。
今までは 沈肩墜肘 含胸抜背 塌腰 松胯 圆裆 とか適当に覚えていたけど、こうやって改めて10個通して検討してみると、最初五つが頭部、上丹田の要領であることに驚いた。
生徒さん達に一つ一つ要領を試させてみる。案の定、皆、一語一語、その漢字の示す意味が分かっていない。だからこそ解説する意味が出てくる。経典を一人で読んで全て自明の理ならばその人はもうそれをクリアしている。読む必要はないのだ。読んでも今ひとつ分かりそうで分からない、掴めそうで掴めない、そのレベルの人にこそ解説が意味を持ってくる。あとひと押しの人。
私の生徒さんのレベルはまちまちで、それを一緒くたに教えているから特に初心者の人にはチンプンカンプンのことが多い。でも中に混ざって踏ん張ってきた生徒さんは進歩が速い。分からないなりにどこかに記憶が残っているのか何なのか....強い部活で練習するといつのまにか上手くなるのに似ているかもしれない。
で、虚霊頂勁は実は⑩までできて初めて分かるものだから最初は深く追求させずにヨガのチャクラで2つだけ体外にあるものが、道教系でいう、虚と霊だということだけ話しておいて次に進む(精→気→神→虚→霊)。
次の、②両目平視内収、ここで、両目で平に視るとは? 平ら、まっすぐ? とやらせてみる。その時、目は耳と水平、という別の言葉を知っていれば簡単。だけど、普通私達が真っ直ぐに見る時は斜めになっている。小さな子供の眼差し、卓球でボールを打つ時の目の要領、座禅で鼻の頭を見る要領....全ては眼を上丹田(視床の方)に引き込むようにして行われている。だから平視すると内収になる。
③双耳封閉とは? これは静かな自然の中でタントウ功をする時に、両耳を澄ます、と言う要領と同じだ。耳を塞ぐのと耳を澄ますのとなぜ同じなのか?やってみれば、なるほど、と分かる。
②にしても③にしても、どうしても分からなければスルーさせる。まだ分かるレベルに達していないので、他の練習をしながら、いずれ、なんだ、このことだったのか〜、と感動する日が来るのを待つ。
④と⑤の要領も決定的に重要。
下の動画の女の子が完璧にやっている。(日本語の発音の口、顎、舌の使い方と真反対!)
今回教えていて、頭部の要領が決まらないと丹田になかなか気が落ちないことを発見。逆に言えば頭部の要領をクリアしただけで(直立のままでも)そこそこ丹田に気が落ちる。中でも、脳の圧を抜いて空にすると一気に腹が膨らむのにはびっくり。

 

 

 両眼平視!

 

 中づり広告の平野美宇ちゃん。

2019/6/9

 

 明日の坐禅のクラスに備えて師父の口からすらすら出てくる静功の要領を書き留めておくことにした。

 ➀虚领顶劲

   ②两眼平视内收

   ③以意封闭双耳

 ④牙齿微扣

 ⑤舌抵上颚

 ⑥沉肩坠肘松腕垂指 

 ⑦含胸拔背塌腰

 ⑧会阴上提

 ⑨曲膝圆裆松胯

 ⑩十指微扣

 

 タントウ功は➀から⑩。 坐禅は➀から⑧。

 

 今更ながら、あるレベルになったら坐禅なしの練功は考えられない。脚の勁を通すにも坐禅は必須。が、坐禅のすごさが分かるにはタントウ功以上に時間がかかるのかもしれない(少なくとも私はそうだった)。坐禅をしている人としていない人は顔を見れば分かる。同じ武術家でもただ腕っぷしが強く粗い人もいれば、修行僧のような静かさと鋭さ、内面の深さを湛えた人がいる。武術を一つの修行の道と捉えれば、ヨガ行者や僧侶が必ず行う坐禅がマストなのは納得がいく。

 

 師父から、順は養う・・・静功は順で周天(任脈上がる、督脈下がる)。

             武術の時(気を使う時)は逆になる。

2019/6/3

 

  腎の開合が分かると丹田呼吸の理解も深くなる。

 臍と命門と両腎、これは帯脈の高さ、中丹田の中の更なる区分け。

 中丹田を活性化させるにはこの中で開合をさせなければならない。

 通常は自然な呼吸で待っていればいつの間にか開合してしまうのだが、あまりにも正しい姿勢を意識し過ぎて入静できないと1時間立ち続けてもその自然な呼吸が現れてこない。

 松しろとは、頭の中も松しろ、頭の中を空っぽにしろ、ということなのだけど、頭の中で、ここはこうして、ここはこうしなきゃ、と考えているうちは自然な呼吸にならない。姿勢を調えている段階はあくまでもタントウ功の準備段階。どれだけ早く準備段階を終えて本段階=入静状態に入れるかがタントウ功の質を決める。(坐禅も然り。楽に坐れるようになって初めて本当の坐禅が始まる。)

 

 とはいえ、毎日身体や精神状態は異なるので、いつも同じように簡単に入静状態に入れるものではない。そういう場合には自分で気を導いたり、内功をしたりして、本来の気の状態(上虚下実など)へと自分自身を導いていく。

 同じ動功でも所謂腰回しをするのか、それとも中の気を回すのかで外の練習になるか内側の練習になるか変わってしまう。内外双修といって、筋肉や骨などの外側も動かさなければならないし、内側の気も動かさなければならない。内気だけ練って外側の練習を怠ると俊敏な動きができなくなる。スジも伸ばさねばならない。股関節や肩関節も開くようにしなければならない。身体の可動域が減らないように毎日広げなければならない。その一方で開いてもスカスカにならないように内気を培わなくてはならない。

 

 スポーツ選手は若い頃は内外共に一般の人達よりも優れた状態にある。(だからスポーツ選手になる。)が、スポーツをやり込むと、往々にして外を傷め、内側を消耗する。とても注意してやらなければ結局一般の人よりも身体を悪くしてしまうこともある。小さい頃から身体の弱い人が健康に留意して無理をせず暮らしていたら結局長生きして、身体に自身のある人が無茶なことや不摂生をして早々に身体を傷めてしまう、というのもよくある話。生まれてきたときに携えてきた命のボンベの大きさ(気の量)は人それぞれ。大きいボンベだからといって見境なくバンバン消費していたら早く無くなってしまう、そういう単純な話。

 

 臍と命門、命門と両腎の関係、その開合についてはレッスンでは説明しましたが、皆がどれだけ理解できたかは不明。図にしてみると良く分かるかもしれない・・・また気の向いた時に描きます。

 

 

2019/6/3

 

 以下は今朝のグループラインへの投稿。

 前丹田、これが中丹田の中の一番前。臍近辺の丹田。腎は吸う。

 二路で連打の練習をするようになると吸った息で打つようになる。そのためには丹田に気の蓄積が必要。

 みまちゃんは吸ってパンチしているんじゃないかと思います。(ボクシングのトレーニングをしているようだし。)後で調べてみよう♪

 

 <私>昨日の伊藤美誠ちゃん、丁寧との試合凄かった。その後準決勝で負けちゃったみたいですが。

  みまパンチ☆ まさにその名の通りのスマッシュが凄い。前丹田の賜物。

  昔の日本の卓球選手にはあり得ない打ち方。(たまたまそうなってしまうことがあったにしても故意にはやらなかった。)

 

<私>順足....

  この打ち方は私が中学生の時北京で中国のコーチに指導を受けて当時びっくりしたもの。当時は逆足で打つ(右利きなら左足前)のが鉄則。腰の回転で打っていたからそうしないと足を戻して次の打球に備えることができない。

 この打ち方を日本に戻ってやったら先生に怒られるなぁ、とその時思った記憶があります。

 

 この打ち方に納得がいったのは太極拳を学んでから。なんだ、こっちが太極拳の基本じゃん♪と。

  が、そのためには腰の回転に頼らない前丹田の爆発力が必要。

<卓球部先輩>

  呼ばれて久々に登場(笑)

  準決勝ワンマンユ戦は徹底的に・単調にバックに集められ多彩さ発揮できず

 

<私>

 美誠ちゃん若いから丹田の充実感がしっかり。帯脈が見て取れる。年配の丁寧はそこが既に弱いかなぁ。技術力やその他の力でカバー。

  準決勝は相手の戦略勝ちかな?

<卓球部先輩>

   ミマ、ゴムまりみたいよね。 それこそ丹田力の現れ。

   丹田の気の量が多いと弾力が出る。

   以前劉先生に、太極拳で一番大事なのは重さ?速さ? と尋ねたら、迷わず"弾性"と答えて意外に思ったことがある。今はそれがよく分かります。

   拘束丹田だけだと身体は硬くなる。拘束丹田と自由丹田、行ったり来たり、丹田の吐く吸うの繰り返し、開合....太極拳が開合拳と呼ばれていた所以。

動画適宜アップ中! 

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『今日のメモ』毎日の練習は気づきの宝庫。太極拳の練習の成果が何に及ぶかは予測不可能。2012年9月〜のアーカイブは『練習メモアーカイブ』へ

練習のバイブル本

 『陳式太極拳入門』

   馮志強老師著

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2012/3/20

日本養生学会第13回大会で研究発表をしました。

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