2018年5月

2018/5/20

 

 昨日今日とドイツ在住で一時帰国中の女性が練習に参加。ドイツでは簡化24式を学んでいるという。

 ドイツへはオランダに住んでいた頃ほんの少しだけ国境を越えて立ち寄ったことがあるが、ほとんど知らないに等しい。スピリチュアル系のものに関心が深く、日本人と似て真面目で辛抱強いと聞く。馮志強老師は晩年、日々せわしくなる中国でゆっくり昔のように功夫を積み上げる中国人が減ったことを嘆き、「今ではタントウ功をしているのは時間とお金に余裕のあるドイツ人だけになってしまった。」と言っていた。(日本人には時間がない・・・)

 

 ドイツ人はスピリチュアル的なもの、思索的なものを好むきらいがある。(昨日独り言に書いたルドンの言葉はまさにその理由を述べていた!)ヘルゲルの弓道もそうだったが、太極拳をスピリチュアル的に捉える人も多いようだ。

 フランスでは柔道は国技と言われているほどmartial artsに対する関心は高かった。太極拳の人気も高いが、そもそもは男性優位のマッチョなラテン民族。太極拳をスピリチュアル的にやる人もいるが、武術として捉える比率はドイツより高そうな印象がある。スペインにいけばさらに武術志向になる。

 日本ではどうなのだろう?日本には武術をより精神化させた武道があるから、わざわざ中国武術を学ぶ場合はやはり武”術”を学ぶという多少マニアックな世界に足を突っ込むことになる。もしくは、日本の武道の原点中国武術に求めれば、そのルーツをたどることになる。が、一般的に太極拳を学ぶ日本人の多くは健康法として学ぶだろう。スポーツとして楽しむ比較的若い人達は大会に出てアクロバティックな動きを披露する。

 

 ・・・と、太極拳もお国柄、というのがあるのかもしれないと思い、暇つぶし的にフランスとドイツの混元太極拳の演武を探してみた。その中で面白い気づきがあったので少し紹介。

 

 まず最初にフランス人の先生の演武。

 内功は?にしても、全体的な動き、心の落ち着きがとても良くて内気の動きがなくても太極拳だなぁ、と思わせてしまう。

 フランスで子供を学校に通わせると、”expression!"とその重要性を叩き込まされる。特に子供のバレエスクールではそう。技術よりもまずは表現力、技術を詰め込ませて個々人の個性、表現力が失われるのを嫌う。表現力、これはフランス人をフランス人ならしめるのだなぁ、とつくづく思った。とても自由。

 この先生は中国人の師について学んだようだが、とても良いなぁ、と思うのは、時間を気にしない!そう、画家のルダンも、私の最も好きなピアニスト、サンソン・フランソワも、時間を感じさせない。フランス人は日本人に比べたら時間にルーズだが、逆に言えば、時間なんて気にしていては芸術は開花しない。本当にマイペース。自分の時間の流れで進む。そしてそれがまさに気功法。中国も昔は悠久の時の流れ、と時間を気にしないような時間の流れの中でこのような練習をしてきたのだろうが、今ではなかなかそうはいかない。

 

 下はドイツの内功の先生。HPを見る限り学者のような理論抜群の先生が放松功を教えた動画。

 ここで気づくのは、頭が全く放松できていないこと。強張った瞬きの多い目はその証拠。

 身体は放松して見せても、肝心の脳が放松できていなければ放松の核心を逸している。

 

 昨日独り言で引用したルドンの言葉通り、太陽の光の少ない北の国の人は一人で思索にふけりがちで頭を緩め辛い?

 頭(脳)は意識的にスイッチオン・オフができるようになるのが目標。考えなくてよい時には考えない。考える時には考える。それがきっちりできれば、理論的には、ストレスゼロ!

 

 

 思考から抜け辛いのは思索的な人(当たり前か・・・)。いつも考える癖をつけると、考えないことができなくなってしまうのかもしれない。

 先週たまたま見ていたドイツ人ヘルゲルとその師匠の阿波研造の写真。

 ヘルゲルの立ち方を見て、これじゃあ無理だ、骨盤が使えてない、頭でしか考えられない・・とすぐに分かったが、二人の目ざしが真反対。

 

 

  阿波研造の目は遠くを広くみる透明な目。緊張がない。頭の中が広がり脳の空間ができる。前頭葉だけでなく脳全体を使って射ることができる。野性的な脳の小脳、後頭部まで使い切る

 片やヘルゲルの目は的一点を見る集中の目。脳は狭く線で前頭葉に集中する。後脳が使えない。身体の緊張も解けない。

 

 

  思索には人間の人間たる脳である前頭葉の働きが必須だが、ここに集中し過ぎると精神のバランスを崩す。固まった目は異常。目は柔らかくしておくと脳も固まらない。

 頭の中をぽか~っと空けておく。(集中の真反対、頭の中をポン、膨張させておく)その快感、コツを知ってしまえばそんなに難しいこととではないのだけれども。(その状態を持続させておくのはかなり難しい。)

 頭の中を空けて初めて頭の中の気血の流れが良くなる。(頭痛は頭がギュッと締められたようになる。それは気血の流れが悪い証拠。両目で第三の眼を見ようとする、眉毛を上に上げようとすると頭の中が開く方向に動く。)

 

 この辺りは今日の練習で少しやった、上丹田と百会の使い方の話。

 恐らく、首の付け根、大椎の力を抜けるか否かが脳を開けるか否かに大きく関わっていると思う。大椎の力を抜くとどこがどうなるのか、は、今週生徒さん達を使って実験してみよう!

 ・・・ヘルゲル、やはり首も硬直している・・・

 

 この下はスウェーデンの先生。ビジュアル的にきれい。ぽぉ~っと、7頭身?8頭身?いいなぁ~と見てたら、その他ノーコメント(脳が開いたまま・・・ひょっとしたら口も開いたまま・・・?)

 

 

 

 その後youtubeを自動再生させていたら、こんな動画になっていた。

 妖怪?いや、これはなんかの大会の第一位の演武らしい。こんな不自然なことをしていたら身体も壊すだろうし、均整が全くとれていないし、美しくないし・・・どうしてしまったのだろう?

 本場の中国も混迷している。外国人の方が本質を掴もうと頑張っているかもしれない・・・。

2018/5/17

 

 腕の動きの中で忘れられがちなのが、上腕。私達はともすると前腕ばかりに気がいきがち。

丹田から手先まで勁をつなぐ際、この上腕に勁が通せるかどうか、肩と肘を使えるかどうか、がとても重要性になる。

 待ち行く人の歩き姿を見た時、肘をきちんと使っているような人はまずいない。

 もし肘のツボを外さずに歩いている人がいたら、絶対に、何かこの手の訓練をしている人に違いない。

 肘と腰はセット。肘が分からなければ、腰の力は手までは届かない。

 それを知るには肘法を練習するのが効果的。

 足裏から腰や肩を通って肘まで勁をつなぐ感覚がわかれば、肘が理解できる。

 肘技は見た目ほど簡単ではない。

 肩関節が硬いとそこで勁が止まってしまう。脇、肋骨、いわゆる胆経が特に大事になる。

 

 下は馮志強老師の肘法の写真。足裏から勁が繋がっているのが見えるかしら?

 まさにタントウ功そのもの。

 

肘法の画像検索をしていたら何故か自分の以前の練習メモに載せた左の写真に出くわした。

 梅路見鸞の姿。(2015年2月の練習メモ)

 本当にほれぼれする立ち姿。

 周身一家、はどの武道にも共通する。

 

梅路見鸞は弟子に、「底をつくるな」と言ったらしいが、その意味について解説しているHPがあった。http://rkyudo-sports.com/cate10/en153.html

 

以下そのHPから抜粋。

 

 道場で弟子に弓を引いていくときに、梅路氏は「底を作るな」と話しています。これは、弓を引くときの筋肉が動き続けなければいけないという意味です。

  普通の人は、どうして腕の長さが決まっているのに、弓を引く時の筋肉がずっと動かなければいけないのか不思議に思うかもしれません。

  この言葉にはきちんとした根拠があります。

  「肘」「脇の下」「胸」の筋肉を究極まで働かせることで、自分で意識しなくても無心で矢を放つことのできる動きが存在します。

 具体的には、「肘」「脇の下」を用いて、最大限まで弓を引き続けます。そして、みぞおち部を中に入れるようにして脚の立つ力を働かせると、「胸の筋肉を開く」運動が起こります。すると、自分で意識しなくても手の甲が斜めから横に向きます。』

 

 

 肘法の時はまさに脇の下と胸!そしていつまでも筋肉が流れ続けて(伸び続けて)いる。固めない。このHPで説明されている通りだ。

 胸の開き方が自分では良く分かっていなかったけれど、”みぞおち部を中にいれるようにして脚の立つ力を働かせる”?・・・試してみよう!

 

 弓道の要領は太極拳にそのまま応用しやすいのではないかしら?

 と調べたら、このHPにはこんなページがありました。

 参考になりそうです。

 

 弓道の「胴づくり」から、首肩を有効に使う

 →http://rkyudo-sports.com/cate11/en166.html

 

 弓道の「弓懐」動作より、腕の使い方を向上させる

  →http://rkyudo-sports.com/cate11/en167.html

 

 指の使い方から腕と上半身の動きを向上させる

  →http://rkyudo-sports.com/cate11/en168.html

 

 眼と頭の使い方 →http://rkyudo-sports.com/cate11/en169.html

 

 丹田 →http://rkyudo-sports.com/cate11/en385.html

 

 ・・・とまだまだありました。

こちらを参照して下さい。私も見ていこうと思っています。http://rkyudo-sports.com/cate11/

 

https://kenka2.com/articles/422
https://kenka2.com/articles/422

2018/5/14

 

 昨日の練習は ”股関節を探せ!”。

 股関節、股関節、とこれまで何度聞いたか分からない単語だが、いざ、股関節はどこ?と聞くと、はて?と適当に”そこら辺”を指す人が多い。

 こんなことでは・・・

「ボーっと生きてるんじゃねーよ!」

チコちゃんに叱られます(笑)

 

 まずは解剖学やら何やらの図を見て、皆に大腿骨の骨頭の位置を確認してもらう。

 思っているより身体の中心側。

 

http://kompas.hosp.keio.ac.jp/contents/000175.html
http://kompas.hosp.keio.ac.jp/contents/000175.html

 

 太極拳は中腰で脚を開くものだから、大腿骨を無理に外に引っ張って、骨頭の部分に不自然な捩じれを作って骨頭の先にあるぼこっと出た骨部分(大転子)に体重をかけてしまうことが多い。すると左のように折れるまではいかずとも、骨頭と寛骨の臼の部分との間でいろいろなものが擦れたり磨耗したりして股関節が損傷してしまうこともあり得る。

 

 もし、大腿骨を外旋させても股関節がビクとも動かないほど強固(?)ならば、その負担は膝関節側にかかってくる。太極拳で膝を傷める人が多いのはそのため。

 

 関節は回せ!というのが太極拳の教え。そして関節は回すに尽きる!

 

 関節が360度本当にぐるぐる回るわけではないにしても、あたかも360度回ったかのように回す。(でないと、抜け技はできない。クラスでは何度も試してみました。)

 どうやって360度回すかというと・・・

 

 と、ここまで書いて生徒さんに尋ねてみることにしました。

 

 股関節ではとてもやりにくいので、持たれた時の外し技で良く使う、手首か肘。

 この関節を360度、途中で切れ目なく回すにはどうしたらよいでしょう?

 

 

   回答がいつくるか分からないので、結論を先取りして書いておくと、

 手首や肘が360度回転するための原理をそのまま使って、股関節、膝関節を使えば、痛まないどころか、柔軟になって可動域も広がります。

 (二人組での転腿の練習を思い出すと良いかしら。纏糸功の基本原理。)

 太極拳の動きは本来関節を養う動き。

 そのためには、まず・・・。

 

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 『陳式太極拳入門』

       馮志強老師著

ようせいフォーラム2017プログラム
3月4日(土)にパネリストとして参加しました。
ようせいフォーラム2017プログラム.pdf
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2012/3/20

日本養生学会第13回大会で研究発表をしました。

発表の抄録、資料はこちら